χ2検定
概要
χ2検定は人数比較をする為に使うことが多い分析手法です。アンケートの「はい」と「いいえ」(名義尺度の回答)を選んだ人数に差が有るか?や特定の集団内にて属性(性別など)に差が有るか?を確かめる時に用います。 例えば、200人の集団の中で、とある介入実験を行った際の効果判定と被験者の性別を調べてみると以下のような人数配分になっていたとします。この時、この人数配分に有意な差がある(=独立である、同程度では無い)ことを確かめる手法です。
Table1 χ2検定に用いる分割表の例
- 分割表が作れる場合(例えばTable1は2×2の分割表)、その実測値に有意差があるかを確認する為に用いる。
- 1×2(ex.「はい」と「いいえ」を答えた人数)や1×3(ex.「好き」、「ふつう」、「嫌い」を答えた人数)といった“1”行で組める分割表の場合は、その人数配分に有意な差あるか(配分が同程度ではないのかどうか)を確かめていることになる(「適合度検定」)。
- 上記例のような2×2と“2”行以上で組める分割表の場合は、各要素や条件に関連があるかどうかを確かめていることになる(「独立性の検定」)。例えば、上記の例では性別によって効果の有無が変わるか(性別と効果判定に関連があるか)を検定している。
分析する時の条件
- 実測値が人数、属性、或いは数値間に優劣や高低がつかないような名義尺度の時に用いる。
- 被験者数が少なかったり、分割表の中で一つでも“5”程度の実測値だったりした場合はイエーツの補正を行ったχ2検定を行う必要がある。
- 被験者数が更に少なかったり(10程度)、分割表の中で一つでも“0”に近い実測値があったりした場合はχ2検定を用いず、fisherの正確確立検定を行うことで有意判定を行う。
論文(レポート)における報告例
-
[適合度検定をしている場合]ある小学校で好きな給食は「カレー」「からあげ」「揚げパン」の 3 つのどれかを回答するという調査を行った結果,χ2 (2) = 7.45, p < .05 で回答には有意差が認められた。
-
[独立性の検定をしている場合]ある介入を行った場合の効果の有無に関して、それぞれの男女の人数の差をカイ二乗検定で分析した確認した。その結果,χ2(1) = 16.56, p < .01 という結果となり、性別によって介入の効果が異なるかもしれないということが確認された。